ラヴは初主演映画の撮影で2ヵ月間、家を空ける事になった。




「2ヵ月って長げぇな。寂しくないのか、アキ」


「別に?ラヴが長期不在なのは今更始まった事じゃないし。まぁ2ヵ月なんて初めてだけど」



アキはアシュリーの問い掛けに答えながら、呑気に鼻歌を唄い掃除をしていた。




「今のラヴが聞いたら間違いなくヘコむぞ」


アシュリーは呟く。




「今日ね、高校時代の友達が来るんだ」

「だから念入りに掃除してんのか」

「いつも念入りしてるよ!!」



せかせかと掃除するアキを見ながら煙草を吸うアシュリー。


暫くするとインターホンが鳴り、アキは玄関に走っていく。




アキが楽しそうに話しながらリビングに戻ってくると、1人の男がアキの隣りに立っていた。




「あぁ、旦那さんかな?」



男はアシュリーを見ながら呟く。




「違うよ、息子。長男のアシュリー」

「そこいらの芸能人よりカッコいい息子さんだね」



アシュリーは男に軽く頭を下げると、煙草をくわえながらリビングを出て行った。




「なんだよ、友達って男かよ。ラヴがいない時に危ねぇな」



アシュリーはブツブツ文句を言いながら、サミュエルとレオンのいる部屋を訪れた。