Dearest

かわるがわる文化祭に来ている女の子達に声を掛けられるアシュリーだが、存在すら無視し、ただアキを見つめていた。


そんなアシュリーとは裏腹に、レオンは女の子達と盛り上がっている。




悪い虫がつかないように、ジッとアキを見守るアシュリー。


すると何やら男に言い寄られているアキの姿が見えた。




「君、可愛いね。ケータイの番号教えてよ」

「すみません。旦那がいますので」

「いいじゃん、バレやしないよ」



しつこく言い寄る男達がアキの体を触った瞬間、男達は悲鳴と共に崩れ落ちた。




「……アシュリー!?」

「汚い手でコイツに触んな!!」



血相を変えたアシュリーは、男達を殴ったり蹴ったりし続ける。




「アシュリー！もういいから!!もうやめてっ!!」



アキがそう言ってアシュリーの腕に抱きつくと、アシュリーは我に返る。




「だから言ったんだ、そんな格好すんなって。」

「…え。アシュリー、いい歳したババアが着るなって言ったよ」



アキがアシュリーの顔を覗くと、アシュリーは真っ赤だった。




「ちげぇよ！お前普通で可愛いのに、こんなチャイナドレスなんか着たら余計可愛くなるから、今みたいに変な男に絡まれそうで嫌だったんだよ!!」


アシュリーはアキを抱きしめる。




「…俺の気持ちわかったんなら、着替えてこい。レオンと門の前で待っててやるから」



アシュリーは着ていたコートをアキに渡すと、レオンを連れて足早に去っていった。