「何?お姉ちゃん」



深刻な顔をするハルを見つめるアキとラヴ。




「私がアシュリー君達の誰か引き取ろうかなって思ってるの」


「なんで!?あたし別に子育てに苦労してないよ?」


「違うのよ。私ね、子どもが出来ない体質みたいで…でも、どうしても子どもが欲しいの。
でもね、今からホワイトガーデン行って誰かを引き取るのは日本に慣らさなくてはいけないじゃない?だから、日本にも慣れているあの3人のうちの誰かを譲って欲しいと思って…」



暫く無言が続くリビング。


無言を破ったのはアキだった。




「…お姉ちゃんは大好きだけど、あの子達は渡せない」



アキは少し震えながら呟き続ける。




「あの子達とは血は繋がっていなくても、今はもう血なんかよりも濃い絆で結ばれてるの。…3人ともあたしの息子よ」



アキの言葉に続けるように、ラヴも話し出す。




「あの子達は私に初めて“家族”という温かさを教えてくれました。私も大切な息子達は渡せません」



ハルがラヴとアキの瞳を見つめると、2人の瞳はもう立派な親の瞳だった。




「うん、そうよね。家族を譲れって頼む私がおかしいわ。ありがとう、ラヴ君とアキ」


「お姉ちゃん、ホワイトガーデンの子達はみんないい子だよ?一度行ってみたらどうかな」




アキがハルの手を握りながらそう言うと、ハルは頷いた。