ラヴは誰が見てもわかるほど目が怒っている。


怒りのオーラを放つラヴに恐怖を覚えた報道陣は、後退りした。




「…こういう事は事務所を通して頂かないと困ります。私の妻と息子達は一般人です。プライバシーの侵害ですよ」



ラヴはアキ達を自分の後ろに隠すと、報道陣を冷めた目で見下ろす。




「エンドロールさん、奥様との馴れ初めと息子さんについて少しお話願いませんか?」


報道陣は再びフラッシュをたき始めた。



「妻とはイギリスにいた頃出会い、私の一目惚れでした。愛を知らない冷酷な私の心と初めて向き合ってくれた、とても優しい女性です」


「世界的人気俳優のエンドロールさんが、そこまで奥様に惹かれたワケは?」


「惹かれた所を全て話すのには、生きている内の時間では足りません。一言で言うのなら私の妻は彼女しかありえないという事ですね」



ラヴの言葉を聞いたアキはあまりにも嬉し過ぎて、ラヴの背中にしがみついた。




「奥様は偉大過ぎる旦那を持ってどうですか?世界が変わったんではないです?」


報道陣はアキに質問をぶつける。


ラヴがアキを隠すが、アキはラヴの前に出て話し始めた。




「…あたしは主人を俳優という目で見てません。強くて弱い優しい1人の男性として見てます。
確かに主人と出会う前に比べて世界は変わったけど、それは主人が俳優だからじゃない。愛情を沢山持っている主人が愛に満ち溢れた世界に変えてくれただけです」



アキが話し終えると、ラヴはアキの頭を優しく撫でた。