ラヴは世界的に有名な人気俳優で、顔も整っていて演技も上手い。


彼に惹かれない人なんて存在するワケがないと断言出来る程、魅力的な人間である。



そんな彼が選んだのは、街を歩けばどこにでもいそうな極普通の女性だった。




釣り合うわけもなければ、周りから認知される事もない。

アキはそれを理解していた。




ラヴに出会えた事自体夢のようで、選んで貰えた事は奇跡と言える。


しかし幾つもの奇跡が重なって、それが運命に変わったのだとアキは思った。




「本当運が良かったんだなぁ。あたしは」



アキは買ったばかりの雑誌を抱えながら呟いていた。




街を歩いていたってスカウトなんかされないし、ナンパだってされない。


ラヴのように人を魅了す外見ではない。




ラヴが俳優として活躍するのは嬉しいけど、俳優のラヴは遠い存在に感じてしまう…


家にいる時のラヴは、ただの1人の男性に見えるのに。




アキはそんな事を思いながら家に着くと、玄関の前に報道陣らしき人がいた。