アキは英語があまり話せない為、施設の子供たちに日本語を教える担当になった。


ホワイトガーデンは、子供たちの就職の範囲を広げる為、日本語の教育もしている。



慣れない事に戸惑うアキだったが、子供たちがアキを『先生』としてではなく、母や姉のように慕ってくれる事に幸せを感じていた。



「もう少し英語が話せればなぁ。中学や高校の時、もっとちゃんと勉強してればよかったぁ…」



アキは、自室でため息をついた。



「ラヴに教えてもらおうかな?」



アキは教えてもらったラヴの部屋を訪れた。


しかしラヴは不在。



「仕事かな?」



アキは自室に戻ると、英語の教科書を見ながらテレビを付けた。


パチパチ番組を変えてると、メンズ化粧品のCMが流れる。




「…え!?ラヴ?」


そのCMにはラヴが映っていた。


アキはテレビの前に座り、まじまじとテレビを見つめる。




「…こうやってみると別人みたい。…知り合えたこと自体夢みたいだな」



アキは、俳優であるラヴとの距離を感じた。





「アキ〜絵本読んで」



施設の居間に行くと、子供たちが遊んでいた。


アキに気付いた1人の子供が一冊の絵本を差し出す。




「はいはい、いいよ。…って何この絵本。全部英語じゃん。どうしよう」



アキに絵本を読んで貰えると、目をキラキラさせる子供たちとは裏腹に、英語が読めないアキは焦っていた。