最後に線香花火をする事にした5人は、誰が1番長く火の玉を落とさないでいられるか競う事にした。



「この火の玉さ、アシュリーのあそこくらいの大きさじゃない?」

「こんなに小さくねぇよ!ふざけんな、レオン!!」



アシュリーが怒鳴ると全員の火の玉が同時に地面に落ちた。




「ちょっと!花火を変な物に例えないでよ!!火が落ちちゃったじゃない」

「変な物って言うな!!ラヴにだって付いてるんだぞ!!」

「私のはもっと立派ですよ。ね?アキ」

「あたしに振るな!」



アキは赤くなりながらラヴの肩を叩いた。




花火を終え、ラヴとアキが辺りを片付けると子ども達はウトウトしていた。




「ほら帰るよ。こんな所で寝たら蚊に刺されちゃうよ」

「う〜…眠たい…」

「おうち帰ってお風呂入ったらすぐ寝ようね」

「アキ抱っこ…」



目を閉じたまま手を伸ばすレオンを抱き上げ、バケツを持つアキ。


ラヴは大の字で眠るアシュリーをおぶり、サミュエルを抱きかかえるとアキと共に公園を出た。



体中が花火の煙の匂いがする。



「やっぱり夏っていいね。暑いし虫が多いけど楽しみがいっぱいあるもの」


「そうですね」


「この子達くらいの時は夏休みが待ち遠しかったな。沢山したい事や行きたい所があって、長いはずの夏休みはすぐ終わっちゃうんだよね。
でも、特に何もしなくても毎日ワクワクしてたよ。大人には夏休みがないから子どもって羨ましいなぁ…」




大人になると世界が狭く、何かに支配されている気持ちになる。


子どもの頃は早く大人になりたい、大人は自由で羨ましいと思っていたのに。




大人になってわかる。

自由なのは子どもだという事が…




「また花火したり、家でゴロゴロしたり私達も子ども達と一緒に夏休みを満喫しましょう」

「うん♪」




その日、家に着くとクーラーの効いたリビングで5人は川の字になって眠った。



夏の思い出と共に成長していく子ども達。



ラヴとアキもまた、子ども達の成長を見守り手助けをする本物の親へと成長していた。