気付いたら病院にいた。


だれもいない。

隣から話が聞こえる。

《す…は…………が……ん?》

《は……ぃ…………少し………にゅ…ん…………ん》

何?聞こえない。

あたし、なんで倒れたの?

頭を打って、…

コンコン

『鈴葉……』

お母さんは泣いていた。

『話を聞いて…??』

『う、うん…』

『実は…腫瘍が見つかったの。それが、悪性だって』


何を言ってるの?冗談だよ…ね?

『ははっ、お母さん。冗談やめてよ』

笑いながら言った。
『冗談じゃ…ない…のよ…』