どれくらいそうしてただろう




少し落ち着いた私に

涼太が口を開いた











『お前がそんな風に泣いてるの見てられない』











「…ごめん…」











『ん、俺さ、綾香があいつと付き合うとき止めたじゃん。なんで止めたかわかってた?』










「わ…かんない」












『鈍すぎだし』










「…え?」












『俺なら、お前を泣かせたりしないんだけど』











頭がついていかない




涼太が何を言っているのかわからなかった







『だーかーらっ
ずっと前から綾香が好き。』











え?











「う…そ…、だって涼太モテるじゃん、彼女とかいるんだと思ってた…」











『俺は、お前にしか興味ないし。いつだってお前一筋なの。気づけよ』











あの涼太が私を…?





混乱して何て言ったらいいかわからない





どんな顔して涼太を見ればいいの











『何か言えよ…俺ばっか恥ずかしいじゃん』





涼太の頬が少し赤い気がした









「だって…信じられなくて…。涼太はずっと一緒にいて幼なじみで…」








そう言うと



涼太がちょっと怒って

私を壁に押しつけた





顔の横には涼太の手






逃げれない






ただでさえ近い距離にある涼太の顔が
どんどん近づいてきて…












キスされた













唇が離されると






『これで…好きだって信じてくれた?』











なんとも言えなくて


ただ頷いた










『すぐに好きになれとか
付き合おうとか言わないから、意識して。俺だけを見て。ゆっくりでいいから…"幼なじみ"じゃなくて"一人の男"として俺を好きになって。』










初めて知った
ストレートな涼太の気持ちが




心にスーっと入って
素直に嬉しかった