「……ね、ねぇ、デート、行くんでしょ……?」



彩音は恥ずかしそうにそう言ってカバンに教科書などをつめ始めた。
顔を真っ赤にして、カワイイやつめ。




「じゃあ、行きますか?彩音」


「……う、うん」




オレは彩音の右手をぎゅっと握りしめた。
彩音も、オレの手を握り返してくれた。




「……彩音、どっか行きたい所、ある?」


「えっ?うーん……。どこかな?」


「まあ、オレはおまえと一緒なら、どこでもいいんだけど」


「それは、嬉しいかな……」



いつもは素直じゃないけど、こういう時に素直になるのが彩音なんだよな。




「あ、そうだ。彩音、たこ焼き、好きか?」


「えっ、たこ焼き?」


「うん、たこ焼き。好き?」


「うん。好きだよ」


「じゃあ、たこ焼きでも食べに行きますか」