「……はい。アナタが知らなくても、私は、アナタを知っています。…お母様から聞いてましたから。━━━それで、姫奈さんに1度お会いしてみたいと、前から思ってました。……こんな風な出会いになってしまいましたがね。」



「そうですか」


「アナタをみて、決心しました。━━━是非、私の息子達5人と自由に恋をして下さい。……それで、姫奈さんの魅力で息子達を誰でもよいから振り向かせてみて下さい。……そして、最終的には、アナタを後継者になってもらいたい。」


「……え、えぇぇぇッッ!?」



これが……条件ッッ!?



「親が決めた婚約者なんて、姫奈さんも嫌でしょう。━━━だから、きちんと恋をして、品定めして欲しいのです。……私の息子達を。」



にっこりと微笑み、凄いことを言う唯王さんに、私は呆気にとられていた。


━━━なんですか、それは。



「……イヤイヤ、私の意見とか気持ちとか、全く無視ですよね?」


「……そんなことはないですよ、━━ほら、御坂さんでしたっけ?、あの方とも自由に会っても良いと条件は出した筈ですよ。」



━━━あ、そういえば、母の葬儀の時に言ってたような。


「……拒否しますか?、」



ニコニコと微笑む顔の周りに、黒いオーラが見えたような気がした。