ゴツイ男二人、秋帆に視線を向ける。

「…何だ、お客か?」

可愛い雛菊が男を連れてきた。

誰だコイツ、悪い虫か?

ギロリと睨む昇竜と龍二に。

「彼氏の秋帆君だよ、二人とも、いじめちゃ駄目だかんね?」

雛菊が秋帆を紹介する。

「な、薙沢 秋帆です…は、はじめまして…」

昇竜と龍二のメンチに、生まれたての小鹿のように震えつつ挨拶する秋帆。

すると。

「お前さんが秋帆かぁ」

昇竜と龍二、ニッコリ微笑む。

ゴツイ顔が温厚に微笑むと、ハッキリ言ってキモイ。

「雛や龍太郎から、電話で聞いてるぜぇ?雛を大事にしてくれてるんだってなぁ?」

「外は寒かっただろ?ささ、上がれよ秋帆、鍋してっからよ、あったまっていけや」

男二人は、秋帆を家に招き入れた。