「っっっかーっっっ!」

喉が焼けるような感覚。

銀が思わず声を上げる。

「ろうしたシャランラ?流石にキツイか?」

焦点の合っていない目で銀を挑発する龍娘。

「に、にゃははっ、全然♪こんなん何ともないよ、なーちゃん」

「は?」

冬が思わず訊き返す。

「銀先生、今『なーちゃん』って言った?」

「え?言ってないよ?『龍娘先生』って言ったよ?」

名前を呼び間違える辺り、銀もそろそろ酔いが回ってきたか?

そんな酔いを隠すように、銀が龍娘と冬のグラスに注いだのはハプスブルグ アブサン プレミアムリザーヴ。

原産国はフランスで、アルコール度数89.9度。

ほのかにアニスのアロマが漂い、ほろ苦い味わいのプレミアムアブサン…とか言ってるけど、アルコール度数高すぎて、そんなん感じる余裕などないかもしれない。