彼は彼なりに、拓斗の事を気にかけてくれているのだろう。

「あ、有り難うございます…暖かくして療養します…」

ウェスタに嘘をつく事を心苦しく思いつつ、ポケットからハンカチを出して洗った手を拭いて…。

「ん…!」

突然、ウェスタの表情が険しくなる。

「え?」

「た、橘…君…その手にしているのは…」

「はい?」

視線を落とす拓斗。

その手に握られているのはヒモビキニ!

(しまったぁあぁあぁっ!)

ポケットに入っていたし、手触りも同じ布なので、ハンカチと間違えてウェスタの前で出してしまった!