「そんな不貞腐れた態度で斜に構えてっから、他の連中の事を信じてやれねぇんだろうが、お前は!」

触手を捌きながら叫ぶ龍太郎。

「俺だって最初からこんなに歪んでた訳じゃないっ!」

怒りを露わにする誠一郎。

同時に。

「っっっ!」

龍太郎にも見切れなかった触手の一撃が、彼の脇腹を抉る!

鈍い音が聞こえた。

(やべぇ…アバラが…)

「何度も何度も…本音でぶつかればきっと分かってくれるって思ってた…誠意を見せれば兄貴とは違うって分かってくれると思ってた…だけど…」

更に二撃三撃と。

触手が龍太郎の体を打ち据える!

「みんな俺の事を兄貴と同類としか見てくれなかったっ!」