思い切り振りかぶっての右の拳!

しかしこれを。

「うっ!」

瞬時にして複数の触手が群がって誠一郎を庇い、防御する!

「何だコイツら!気持ち悪ィ!」

「見た目は醜悪でも、唯一の俺の親友ですよ」

即座に反撃に転じようとした触手を。

「くっ!」

龍太郎は活歩で後退する事で回避する。

「…唯一の親友…?…他の1年の連中は違うのかよ?」

「確かに友達ならいますよ…だけど…」

無表情のまま誠一郎は語る。

「ラロや青、ピピル、ルート…俺の怪異の存在を知っているリグニアや日音子でさえ…本当の俺の心情を理解できている者はいません」