赤々と燃える階下の炎を眼下に、龍太郎と誠一郎は屋上で対峙する。

「こうやって面と向かって話をするのは二度目…ですかね?」

「ああ、おめぇはもう少しいい奴だと思ってたんだがな」

怒りの表情で誠一郎を睨む龍太郎。

「いい奴?」

誠一郎は首を傾げる。

「いい奴とはどんな人間の事ですか?暴力を振るわない人間ですか?」

「違ぇよ」

龍太郎は言う。

「文句があるなら正面切って堂々と挑んでくる奴だ。回りくどいやり方でチマチマ小細工するのは汚ぇ野郎のやる事だ」