様々な種族の坩堝たる天神学園の校舎が、炎を上げる。

校舎の各所で上がる火の手。

錯乱していない生徒や教師が消火活動に当たっているものの、火の回りは速い。

急がなければ学園が全焼してしまう。

その光景を屋上から見つめていた誠一郎は。

「…来ましたか」

静かに振り返る。

背後に立っていたのは、黒髪短髪、筋肉質、普段から目付きの悪いのを更に悪くした男子生徒。

「随分派手にやってるじゃねぇか…誠一郎」

その男子生徒…丹下 龍太郎はミシリと拳を握り締めた。

「お礼参りに来たぜ…!」