無論、止めはしない。

小夜だって悔しい。

七星が、小岩井が、アルベルトが、龍娘が。

親しくしている龍太郎一味の仲間達が次々と傷つけられた。

暴力で解決する事が正しいとは思わないが、誠一郎の暴挙を止めるには強い力を持つ者が必要だ。

それはわかる。

だけど…。

「っ」

小夜は、龍太郎の制服の背中をキュッと摑む。

「…小夜?」

「…………」

龍太郎もアルベルト達のように傷ついて倒れるのではないか。

そんな気がした。