人質をとったり手段は選ばなかったものの、確かに武闘派教師陣筆頭の龍娘、異世界でも名を馳せるアルベルト、死神の小岩井を倒した誠一郎の力は脅威である。

正確にはそこまでの力を持つ怪異に変貌させた誠一郎の心の闇が、だが。

「ぶち撃ってやんよ…」

しまじろうがユラリと立ち上がる。

「龍娘や霸龍闘の仇…俺が討ってやんよ…」

復讐に駆られた眼で歩き出そうとするが。

「!」

龍太郎がそれを制した。

「ジロー先生は嫁さんについててやれよ…俺がやる」