顎そのものがガクガクしている。

よく顎関節が外れなかったものだ。

大きく口を開くと激痛が走る。

それでも。

「尤もだと思います…」

誠一郎は言った。

「他人に手を上げた者は、自分も手を上げられる覚悟が必要…龍太郎先輩や龍娘先生、学園長先生や小岩井さんにはそれがある…ないのは俺の兄や、俺に錯乱状態にされた不良やヤンキー達です…他人は平気で傷つけるくせに、自分の身に迫ると不当な暴力を振るわれるみたいに泣き叫ぶ…」

「だから錯乱させたのか?」

「はい」

龍娘の問いかけに、誠一郎は即答する。

「そんな奴ら、痛い目に遭えばいいんです…」