そうか…優勝したんだな。

龍太郎の頭の中で、ボンヤリとその二文字が浮かぶ。

優勝したら、リング上で雄叫びを上げて、ガッツポーズを決めて。

観客の大声援の中、俺はドヤ顔で勝ち誇って…。

そんな風に思っていた。

しかし現実には意外と謙虚な気持ちで…臥龍がいなきゃ銀先生には勝てないどころか救う事すらできなかったなとか、いやいや救ったなんて偉そうな言い方できねぇとか、実はこれ夢オチなんじゃねぇかとか。

実感が湧かないものなんだな、最強って。

そう考えていた。