直後、異変は起こった。

「!?」

強く引き寄せられる感覚に、メルは思わず踏ん張る。

巨人斬りが何かに引っ張られる…否。

「吸い込まれる…?」

「それも違うね」

銀は呟く。

「言っただろ…禁書も魂食らい(ソウルイーター)だって…今、禁書が巨人斬りを『食っている』のさ」

これ程の魔力を持つ武器だ。

一種『意思』や『生命』のようなものを持っている。

そして禁書は、命あるものなら何もかもを奪う貪欲なまでの悪食さを持つ。

それこそが、禁書が『禁断の魔術書』と呼ばれる所以。