誰にも手がつけられなかった。

タイマントーナメント続行すら危ぶまれるメルの凶行。

直撃こそ避けているものの、何度も近距離での衝撃波を受けている銀は、著しく体力を消耗していた。

まるで呪われた武具だ。

あの巨人斬り、もしかしたら『魂食らい(ソウルイーター)』の類なのかもしれない。

ガクガクと震える膝が、致命的なダメージに達しつつある事を物語る。

そしてその足では最早満足な回避も儘ならず。

「捕まえた…♪」

とうとうメルの巨人斬りが、銀の頭上に振り下ろされる!