「あん、もう…」

唇を尖らせるメル。

「逃げないで下さいな、銀お兄様」

「無茶言うなよ!」

またもツッコむ銀。

レーヴァテインどころの騒ぎではない。

巨大さ、超重量に加え、あの巨人斬りとかいう戦斧には何か魔力効果も付与されているようだ。

振り下ろしただけで凄まじい衝撃波が発生した。

直撃を食らっていないのに、銀や審判の寒緋すらもダメージを受ける。

「いい加減にしろメル!結界がもたん!客席にまで被害を蒙る!」

寒緋が警告するが。

「それは逃げ回る銀お兄様に言って下さいな、クスクスクス…」

メルはまるで聞く耳を持たなかった。