「あら…」

人差し指を顎に当て、思案顔をするメル。

「剣は駄目なのかしら…なら戦斧?それとも槍?」

「そういう事じゃなくてさ」

呼吸を整えつつツッコむ銀。

「誰が好き好んで串刺しになりたがるのさ、冗談きついぜメル」

「そうですね、ではこうしましょう」

メルの足元の空間が歪み、そこから一振りの剣が現れる。

レーヴァテイン。

北欧神話の原典においては、世界樹の頂に座している雄鶏ヴィゾーヴニルを殺す事ができる剣(正確には剣とさえ明言されていない)で、『狡猾なロプトル』(ロキ)によって鍛えられ、女巨人シンモラが保管しているという記述がある。

今この場においては、炎を纏った魔剣であった。

「この剣で両断した挙句に焼き尽くして差し上げます」