肩に、腕に。

次々と掠っていくトライデントの穂先。

遂にはハタキがへし折られ。

「うぐっ!」

ユーリーは後方へと吹っ飛ばされる。

穂先が一度も体を貫通しなかっただけ運がよかった。

ひとえにユーリーの動体視力と捌きの技術が優れていたからこそだ。

防御と打たれ強さに頼る龍太郎ならば、既に相当な傷を負っていたに違いない。