デッキブラシを槍のように構え、静かに佇むユーリー。

派手な動きこそないが、その立ち姿には隙がない。

メルでさえ初撃に攻め倦むほど。

だが。

「流石天神学園だわ…まだユーリーお兄様みたいな強い殿方がいるのねぇ…クスクスクス…」

微笑むメルの背後に、空間の歪みが発生。

その歪みの中から。

「!」

モーニングスター、鎖鎌、鎖分銅、フレイル。

様々な武器が一直線にユーリーへと襲い掛かる!

彼はこれを、デッキブラシの払い一閃で捌く!

しかしそこに生じた隙に。

「フフフフフフッ」

床に刺さった剣の一本を抜いて斬りかかるメル!

ユーリーは。

「!?」

ポケットの中から窓拭き用のタオルを出し、これで斬撃を絡め取った。