龍太郎は昨年と同じく空手着。

拓斗も同様だが、龍太郎の方は袖無しの空手着だ。

そんな中。

「おい、あれ…」

客席がどよめく。

黒髪、銀色の瞳、浅黒い肌、右目元には星形の泣き黒子の銀。

彼もまたいつもと同じ魔女のような帽子にローブ姿なのだが。

「ど、どしたんだよ、シャランラ先生…」

龍太郎が呟くのも無理からぬ話。

銀は右半身を白銀の鎖できつく戒めるように縛っていた。