切り出しにくかった。

龍娘は拓斗の想いなど、微塵も気付いていないだろう。

しかし、もう耐えられないのだ。

アルベルトと龍太郎の戦いを見た後では尚更…。

「あの…老師…」

途切れ途切れ、踏ん切りのつかないような言葉で、拓斗は告げる。

「僕…中国拳法の修行…もうやめようと思って…」

『……』

電話の向こうの龍娘は何も言わない。

「僕は…龍太郎君みたいに色んな技も習得できていないし、体格だって小さいし、臥龍だって持っていないし…努力はしているつもりです、僕なりに頑張っているつもりです、だけど、だけど…」

少年らしい瞳から、涙がこぼれる。

「追いつけない自分が…悔しくて…」