「お魚嫌い、食べるのメンドイ」

唇を尖らせるのは遊里。

卵焼き、味噌汁、納豆やご飯は口にするものの、焼き魚には箸をつけていない。

「好き嫌いすんな小猿、おめぇは魚食わないから『かるしうむ』が不足して短気なんだよ」

おっ、河童が難しい横文字使ってるぞ?

「だって骨がいっぱいあるんだもん、チマチマ骨とって食べるのヤダ」

今時の小学生みたいな発言をする遊里。

「バッカ、魚なんてものはな」

焼き魚の尾鰭を摘まんだ鷹雅は。

「あぐ」

そのまま頭からバリバリと一口で頬張る。

「骨なんか取らなくても、こうやって全部食っちまやいいんだよ」

お前の食べ方はおかしい。