「美味しいなぁ、喜屋武さんちの朝ご飯」

やっぱり武道家は体が資本。

ペロリとご飯を平らげた拓斗が、控えめに茶碗を出す。

「あの、すみません、おかわりお願いしていいですか?」

「はい、ただいま」

そう言って拓斗から茶碗を受け取ったのは、女中ではなく喜屋武本人。

「え、あ、喜屋武さんっ」

「大盛りですか?普通盛りですか?きっかり三口半ですか?」

お櫃の蓋を開け、まだ湯気の立ち昇る白飯をよそおうとする喜屋武。

が。

「喜屋武さん、だめーっ」

花音が割って入る。

「拓ちゃんのご飯は私がよそうんだぴょん!」

大好きな拓ちゃんにおかわりをよそうシチュエーション。

朝は比較的パンの多い橘邸ではあまりない為、ちょっと花音は憧れていたらしい。

喜屋武と花音、仁義なきおかわり争奪戦。