「同じように、私の事も縛って、括って、雁字搦めにして、どこにも逃げられないように…」

とはいえ、愛自身は既にそんな状態かもしれない。

学園の仲間達は皆優しい。

こんな引っ込み思案で大人しい愛を迎え入れ、どこに行くにも声をかけてくれる。

いつだったか、体を張って助けに来てくれた事さえあった。

不謹慎だが、憧れだった『囚われのお姫様』の役を演じる事が出来たのだ。

そして姫たる愛は、見事に助け出された。

欲を言えば、アルベルトに助けて欲しかったが。

…それでも、そんな仲間達でも。

アルベルトと天秤にかけてしまうと、迷わず天秤はアルベルトに傾く。

友情より恋と、躊躇いなく言ってしまうのだ。

これまた、不謹慎な話だが。