寡黙な誠一郎が見せた、珍しい攻撃的な言葉。

普段同じ教室で過ごしているリグニアでさえ、一度も見た事がない姿だ。

そしてそれが引き金だった。

「オラララララララララララララァッ!」

男子生徒の仕掛けた狐霊達が、一斉に誠一郎に襲い掛かる!

牙で、爪で、まるで死肉に群がるハイエナのように貪る狐霊達。

その姿は猛獣そのものでしかなく。

いや、既に肉体を失って獣以上の存在へと変貌したもの。

平凡凡庸とした誠一郎が、太刀打ち出来る筈はなかった。

本来なら。