それぞれの思いが、交差してしまってるんだ……。



それを知っても、何も出来ない自分が歯痒くて唇を噛んだ。







「そうだ、杏奈ちゃん」



【はい】







カルテにペンを走らせながら、籔内先生は幸せそうに目を細めた。







「万里が、目を覚ましたんだよ」



【ほんとですか!?】