「あぁ。たまたまテレビで失声症が取り上げられてて、もしかしたら、と思ったんだ」



「杏奈ちゃんは病気になってから、徐々に自分を隠すようになっていったんじゃないか?



だから、切っ掛けも掴めずに声のない3年間を過ごしたのだと俺は考えてる」







自分を、隠すように……?



確かに、心を開いていたのは藪内先生と万里ちゃんだけだった。