あたしが目を覚ましたのは
次の日の朝。


乃愛はとても心配そうな顔をしていた。


『心配かけてごめんね乃愛』



『うぅん。
 葵が無事でほんとによかった』


涙目になりながら
あたしを抱き寄せてくれた乃愛。

あたしも嬉しくて少し涙がでた。



『葵!!
 目が覚めたのか。
 気分はどうだ??』



棗の心配そうな声が
あたしの耳に届く。


『ぅん。
 もう大丈夫だよ。
 ほんとに…ほんとにありがとう』


あたしは心から棗に感謝した。


もしあのとき棗が来てくれなかったらと
考えると背中が凍る。


『あの…翔太くんは??』


『俺が頭殴ってまだ気絶してる。』


あたしは翔太くんも
気絶しているだけだと知り
安心した。