「琴美、琴美!!」


 強引さは嫌いだった。
 だから彼女の生きたい方向を応援しようと思っていて、きっと彼女は自分で判断して僕の元に戻ってくると思っていた。
 メール交換をしていた頃の方が彼女は近かった。
 それより同棲してた頃の方がもっと近かった。
 ある意味……仙台に行ってしまった彼女は、メール交換してた頃よりもずっと遠い存在になってしまっていた。

 こんな形で終わらせたくない。

 たとえ最悪になったとしても、僕はもう一度琴美に言いたい。

 君が好きだ。

 君を愛してる。

 
 琴美しかいないんだ……僕には。
 戻って欲しい、どんな条件をつけてもきっと僕はそれをクリアする。
 長坂に揺れた事すら僕は許す気持ちだ。


 最終的に僕を選んでくれるなら、それでいいんだ。



 失いたくない。