「今週は会える?伝えたい話があるんだ」
週頭、1ヶ月近くもあえていなかった琴美と電話をした。
「うん、今週こそは絶対会いたい。東京のアパートの方が心が落ち着くから、私がそっちに行くよ」
琴美の声はいつもより弾んでいて、今週末こそ会えるという嬉しさが伝わってきた。
「ありがとう、じゃあこっちで待ってるから」
そう言って、僕も今週こそは楽しい週末になるに違いないと思って電話を切った。
ところが……この数日後に予想外の事が起こった。
気をつけていたつもりだったけれど、流行しつつあったインフルエンザにかかってしまい、僕は9度の熱を出して営業車の中でぐったりしていた。
朝は微熱程度だったのに、時間が経つにつれて寒気が襲ってきて熱がどんどん上がるのを感じた。
「笹嶋くん、こんな体調で出てきたら駄目よ。今からでもあなたのアパートに戻って休んだ方がいいわ。直帰の連絡は会社に入れておくわね」
「ええ……そうですね。すみません」
運転も代わってもらい、僕は朦朧とした意識の中天海さんに連れられて病院に立ち寄って、そのままアパートに戻った。
保険証を携帯していたのが幸いだったけれど、どうやって会計をしたのかとか、診察時に何を話したのかすらおぼろげになっている。
週頭、1ヶ月近くもあえていなかった琴美と電話をした。
「うん、今週こそは絶対会いたい。東京のアパートの方が心が落ち着くから、私がそっちに行くよ」
琴美の声はいつもより弾んでいて、今週末こそ会えるという嬉しさが伝わってきた。
「ありがとう、じゃあこっちで待ってるから」
そう言って、僕も今週こそは楽しい週末になるに違いないと思って電話を切った。
ところが……この数日後に予想外の事が起こった。
気をつけていたつもりだったけれど、流行しつつあったインフルエンザにかかってしまい、僕は9度の熱を出して営業車の中でぐったりしていた。
朝は微熱程度だったのに、時間が経つにつれて寒気が襲ってきて熱がどんどん上がるのを感じた。
「笹嶋くん、こんな体調で出てきたら駄目よ。今からでもあなたのアパートに戻って休んだ方がいいわ。直帰の連絡は会社に入れておくわね」
「ええ……そうですね。すみません」
運転も代わってもらい、僕は朦朧とした意識の中天海さんに連れられて病院に立ち寄って、そのままアパートに戻った。
保険証を携帯していたのが幸いだったけれど、どうやって会計をしたのかとか、診察時に何を話したのかすらおぼろげになっている。