エルに会う覚悟はしてた。
どういう男性だったにしても、私を数年間支えてくれた人なんだから当然感謝の気持ちでいっぱいだったし、私も半分エルに恋していたと思う。
だから、エルさえ私に好感を持ってくれたなら、初めて異性としてのお付き合いも始まるのかもしれない……と思っていた。
でもエルは笹嶋さんだった。
これは大問題だ。
彼には憧れていたし、その気持ちが大きくなりすぎるのを止める為にもエルと会う約束をした。
なのに……そのエルが笹嶋さん本人だったとなると問題は変わってくる。
「ごめん、今まで騙すような状態続けてて。でも、さっきも言ったように本当にミサが君だっていう確信は今日まで無かったんだ。……怒ってる?」
本当に申し訳なさそうに、彼が上目遣いでそんな事を言ってきた。
私はブンブンと首をふって、だた真っ赤になって俯くだけだ。
何も口に出せない。
今まで赤裸々に語ってきた自分のメールが全部笹嶋さんに筒抜けだったのが猛烈に恥ずかしい。
でも……。
ふと私は先日のメールを思い出していた。
「僕は君に恋しているのかもしれない」って書いてあったあの文章はいったい何だったんだろう。
笹嶋さんはミサが私だってほとんど予測できていたみたいだ。
なのに、何であんな好意を持ってるような事を書いたのかな。
「遠藤さんは驚くかもしれないけど、僕はずっと君の事が好きだったんだよ。なかなか異性を寄せ付けない雰囲気だったから、あまり会社で親しくするのは無理だったんだけど、メールで君の内面を知るほど、どんどん好きになった。それに、長坂の奴も君を狙ってるの知って正直焦った。こんなにいきなり会おうって言い出したのもそのせいもある。あいつに先を越されたらやだな……って」
「長坂さん!?」
「ああ。そういうそぶりなかった?ならいいんだけど」
「……」
廊下で話しかけられたのを思い出した。
もしかしたら、何か話そうとしてくれていたのかもしれない。
でも、万年モテない女、恋愛経験ゼロの私が、私が社内のトップ営業マン二人に好かれるなんてあり得ない……。
やっぱり信じられない。驚きで声も出せない。
運ばれてきたコーヒーからの湯気がくゆる中、笹嶋さんの目をそっと見た。
彼は優しく微笑んでいて、本当に私に好意を持ってくれているのが分かった。
どういう男性だったにしても、私を数年間支えてくれた人なんだから当然感謝の気持ちでいっぱいだったし、私も半分エルに恋していたと思う。
だから、エルさえ私に好感を持ってくれたなら、初めて異性としてのお付き合いも始まるのかもしれない……と思っていた。
でもエルは笹嶋さんだった。
これは大問題だ。
彼には憧れていたし、その気持ちが大きくなりすぎるのを止める為にもエルと会う約束をした。
なのに……そのエルが笹嶋さん本人だったとなると問題は変わってくる。
「ごめん、今まで騙すような状態続けてて。でも、さっきも言ったように本当にミサが君だっていう確信は今日まで無かったんだ。……怒ってる?」
本当に申し訳なさそうに、彼が上目遣いでそんな事を言ってきた。
私はブンブンと首をふって、だた真っ赤になって俯くだけだ。
何も口に出せない。
今まで赤裸々に語ってきた自分のメールが全部笹嶋さんに筒抜けだったのが猛烈に恥ずかしい。
でも……。
ふと私は先日のメールを思い出していた。
「僕は君に恋しているのかもしれない」って書いてあったあの文章はいったい何だったんだろう。
笹嶋さんはミサが私だってほとんど予測できていたみたいだ。
なのに、何であんな好意を持ってるような事を書いたのかな。
「遠藤さんは驚くかもしれないけど、僕はずっと君の事が好きだったんだよ。なかなか異性を寄せ付けない雰囲気だったから、あまり会社で親しくするのは無理だったんだけど、メールで君の内面を知るほど、どんどん好きになった。それに、長坂の奴も君を狙ってるの知って正直焦った。こんなにいきなり会おうって言い出したのもそのせいもある。あいつに先を越されたらやだな……って」
「長坂さん!?」
「ああ。そういうそぶりなかった?ならいいんだけど」
「……」
廊下で話しかけられたのを思い出した。
もしかしたら、何か話そうとしてくれていたのかもしれない。
でも、万年モテない女、恋愛経験ゼロの私が、私が社内のトップ営業マン二人に好かれるなんてあり得ない……。
やっぱり信じられない。驚きで声も出せない。
運ばれてきたコーヒーからの湯気がくゆる中、笹嶋さんの目をそっと見た。
彼は優しく微笑んでいて、本当に私に好意を持ってくれているのが分かった。