エルからは次の日にメールが入っていた。

”ミサ

メールありがとう。
会いたいと言ってくれてありがとう。
何度も言うみたいに、君が心配するような事は何もないよ。
君との友情が壊れる事も心配ないし、もしかすると僕はメールを通して君に恋してしまっているのかもしれない。その思いを君が受け止めてくれるのかは分からないけど、土曜日指定された場所に行きます。楽しみにしてます。

エル”


 恋してる……?

 私はエルのメールを見てちょっと戸惑った。
 確かに彼は男性で、何年も本音でメールをしていたから、私の中でも彼に対して淡い恋心があったのは否定できない。
 笹嶋さんは手の届かない人だと思ってるし、ある意味私の中で一番現実的な恋の相手はエルだった。

 そんなエルが私を異性として意識してくれている。

 今まで恋愛ごとには全く遠慮してきた私なのに、相手から「恋してる」なんて言われたのは初めてで、体中が熱くなるのが分かった。
 どんなに気取ってみても、私もしょせん独りの女だったっていう事だ。
 一生独りでいいなんていうのも、本当はただの強がりで……。

 エル、私もあなたが好きだと思う。
 恋に発展できるか自信無いけど……もしあなたに会えて、せめて友情だけでも続けられるなら、私はそれだけで嬉しい。
 そう思って、私は自分の指定した日時通りI公園の噴水前に立った。
 ただ、その日は雨が降っていて、傘を差しながら濡れそうなパンプスを気にしながら私は俯いて立っていた。
 こんな状態でエルはちゃんと私を見つけられるだろうか。
 結構人がごちゃごちゃ入り乱れてるし、私にはエルがどんな人なのか全く分からない。

 エル、ちゃんと私を見つけてくれるかな。