「こいつ俺の友達の、希…っぐ?!」
あたしは悠大が名前を言う前に手で口を塞いだ。
危ない、危ない!!
ここであたしの名前出したらどうなると思ってんのよ!!
「っは!!…何すんだよ!」
悠大はあたしの手を無理矢理はがす。
「あ、あたし帰るから自己紹介なんてしなくていいからっ!!」
「はぁっ?!」
あたしは走って逃げようとした。
「待てよ、希美!!」
走り出そうとした、あたしの右腕を悠大は掴んだ。
──終わった
あたしの人生終わった。
「のぞみ…?」
顔は見られてないはずだから
まだ言い逃れてきるよね?!
時雨の顔見ないで、ずっと下向いてわかんないようにしてたし!!
「な、なに言ってんの?悠大。あたしの名前は和花(ノドカ)だって言ったじゃん!?」
「はぁ…?おまえ、希美じゃんかよ?」