「それにしても、今日は一段とメイク濃いな。パンダになんじゃねぇの?」
「余計なお世話ですーっ!!」
あたしは悠大に向かってあっかんべーと舌を出した時だった。
「悠大、誰と話してんだよ」
背後から聞き慣れた声がした。
「おお!!時雨。わりぃ、こいつを久しぶりに見かけたからつい…」
ちょっと待って…
時雨って言ったよね…?
まさかね…?!
そんな偶然とかあるわけないし。
きっと別人…
あたしはチラッと後ろを見た。
「──っ?!」
べ、別人じゃなかった…っ!!
あたしの知ってる時雨じゃんかっ!!
どうやってこの場から逃げよう?!