「生活感がまったくないでしょ」
お茶を時雨の目の前の机に置く。
「なんつーか…、寂しい部屋なんだな」
「そーだね…。」
ほとんど、この家はあたししか使わないからね。
「親は…?」
「ほとんど帰って来ないよ」
別にそれでも構わない。
あたしに会いたくないから帰って来ないんだろうし…。
「…寂しく…ないのかよ?」
「もう…慣れちゃったから……」
こんな生活…
嫌でも慣れちゃうよ。
震える手でマグカップを握った。
「両親はね…離婚してるの。あたしはお母さんの方に引き取られて…。でもお母さんは大きな会社で働いてる」
でも休日はあるはずなのに…
月に何度かしか帰ってきてくれない。