帰り道はこれといった会話はなかったけど、二人で帰る道はいつもより穏やかに感じた。 「あ…、家…ここだから」 「何階?」 時雨はマンションを見上げる。 「35階…」 「すげぇ所に住んでるんだな」 高いからその分、家賃は高いらしいけど… あの家には何もない。 「…上がってく?」 「え…」 時雨は驚いた顔をした。