「お母さんはね、本当は希美にお見合いでもさせようって思ってたの」
「…それは俺が許しません」
時雨は持っていた箸を置いた。
「希美をもらうのは俺です。他の男なんかにはやりません」
「ふふっ、いい目してるのね。希美の彼氏は。」
お母さんはそう言って笑った。
…というかあたしお見合いの話とか初めて聞いたんだけど?
「ほら、私が離婚したでしょ?だから希美にはそういう経験してほしくないから…。少しだけ試してみちゃったわ」
「…えっと、つまりお見合いの話とかないってことだよね??」
あたしがそう聞くとお母さんは頷く。
まんまとやられたよ時雨…。
お母さんの作戦にはまったんだ…。