「あのね…、あたし、時雨なら信じていいかもって思えたんだ…。」
あたしの為にいろいろとしてくれたとかからじゃなくて、
時雨が傍に居てくれると温かい気持ちになれた。
「それにね?あたし…ちゃんとお母さんと向き合おうって思い始めたの」
逃げるのはもう辞めにしようって。
「全部…時雨に出逢えて変わったんだ。…ありがとう」
「俺も希美に出逢って変わったよ。こんなにも人を好きになれるとは思わなかった…」
そう言った時雨にあたしは笑いかけた。
あたしはひとりじゃないんだ…。
誰かが傍にいてくれる。
それだけで心が温かくなっていく気がした。
「あ…雪だよ」
空を見るとぱらぱらと小さな雪が降ってきた。
「そろそろ家に帰ろっか…」
「ああ…」
あたしと時雨は手を繋ぎながら公園を出たのだった。