希美side
あたしは強く抱きしめられていた。
クリスマスに言おうと思ってたけど…
ついに言ってしまった。
「希美…」
耳元で時雨の声がする。
低くて甘い声が。
「俺も…好きだ…。」
そう言ってくれるのが嬉しくて
あたしは時雨の身体を離さないようにぎゅっと握った。
そしてしばらくこの体制でいた後、近くのベンチに移動した。
もちろんベンチの上では手を繋がれたままで…。
「…冬哉の家で何してたわけ?」
時雨は静かに口を開いた。
「…料理を習ってたの。時雨に…内緒でクリスマスに食べてもらおうと思って」
あたしがそう言うと時雨は笑った。
「なんだよ…。俺の勘違いってわけだったんだな。…冬哉に後で謝っとかねーと」