「こんなに震えて…、寒かったよね?」
鞄の中からタオルを取り出して子猫の小さな体を拭く。
そのたびに小さな心臓がトクンと動くのが伝わる。
「ちゃんと生きてるのに…」
どうしてこんなに酷いことができるんだろう?
「──あっ!」
あたしは携帯を取り出した。
後少しで針は9時を指す。
学校を休んだらあの人に何を言われるか分からない…。
どうしょう…。
「あっ…!」
学校に行って、出席だけとればいいんだ!
それで早退してこの子猫を家で引き取ろう。
「すぐ戻ってくるから待っててね?…今日からあたしと家族になろうね」
あたしは子猫の頭を撫で自分が持っていた傘で子猫が濡れるのを防ぐようにして学校へ向かった。