「そもそも、予算の無駄を徹底的に削り適正な組み替えをする事で、増税せずにマニフェストの財源を捻出する事が、我が民民党の掲げる目標だったはずです!
国民はそれを期待して、我が党に票を投じたのでしょう?」


「そうそう、マナミちゃんの言う通り!あれはマニフェスト違反だよね」


「大体、今の行政にはまだ無駄が多過ぎる!これで消費税増税なんて、国民が納得しない!」


「そうだそうだ!増税反対~~!」


「しっかりしろ、民民党~~!」


「総理はやめろ~~!」


少々、酒に酔っているとはいえ、これではまるで居酒屋でただ愚痴をこぼしている週末のサラリーマンみたいだ。


これではいけない。


我々は政治家なんだ。


文句を言うばかりでなく、もっと建設的な意見を述べなければ!


「幹事長、確かに今の日本は景気が低迷していて十分な税収が得られないというのは、事実です。
その意味では、消費税を上げたいという総理の要望も分からないではありません」


「何?それじゃマナミちゃんは増税に賛同するの?」


「いえ、あくまでも今上げるのには反対です。しかし、この先、税の抜本的改革というのは必要になってくると私は思うんですよ。

例えば、消費税にしても全ての物に一律に増税するのでは無くて、高級品や贅沢品には増税。代わりに生活必需品は非課税にするとかですね……」


そんな私の意見に、幹事長は……


「成る程……では、僕は近々新しいモデルのゴルフセットを買おうと思ってるんだが、非課税になるまで待った方が良いという訳だね?」



この人は、人の話をちゃんと聞いているのだろうか……



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